アセットアロケーションで成果をあげつつ投資を楽しむ
人生の後半にお金の心配はしたくありませんね
サラリーマンの資産形成の王道は長期分散投資です。「アセットアロケーション」を学ぶことをお勧めします。
なお「アセットアロケーション」とは、運用資金を国内外の株や債券、不動産などの各資産(「アセット」)に適切な割合で配分(「アロケーション」)する投資方法です。
着実に資産形成しつつ、いろんな投資機会を楽しめるようになります

上図はカズ52歳の老後資金のアセットアロケーションの現状です。
これまで大きな損失を出すことなく、着実に資産を増やしてきました。
また、投資リテラシーがあがり、新しい金融商品/機会にもリスクを管理しつつ挑戦できるようにもなりました。これが結構楽しいのです。
例えば、上図の「円貨建債権」には、融資型クラウドファンディングも含まれています。また「その他」には、いわゆるDeFiをつかった暗号資産の運用も含まれています。またこれらはハイリスク投資と思いますが、資産全体の中の割合を管理しつつ行っています
>> 例 クラウドクレジット(融資型クラファン)、 AAVE (DeFi)
アセットアロケーションを学ぶべき理由
投資成果のほとんどはアセット・アロケーションによって決まる
アセットアロケーションが資産運用の成果の80%以上を占めるとも言われています。個別銘柄研究や投資タイミング検討より、資産配分を考え管理することに時間を割くべきといえます。
本業を持つサラリーマンの資産運用にさける時間は限られています。資産カテゴリーごとの配分は守ることにして、個別商品の選択や売買は、ある程度は興味の赴くまま、直感・雰囲気・推奨ベースで楽しむのも致し方ないのではないでしょうか。
自作の金融商品ポートフォリオは長期保有しやすい
アセットアロケーションを学ぶことで、バランスファンドやロボアドバイザーに頼らずに、カスタマイズされたポートフォリオが作れます。ポートフォリオを自作することにより投資内容への理解が深まると、暴落も心理的に許容できるものです。結果、長期に投資を続けることができます。
参考までに、以下が上図のアセットアロケーションに対応する私の主な金融商品ポートフォリオです。
外貨建債権 | 個別の米国債や社債(米ドル建); 日本市場ETF(iシェアーズ・コア 米国債7-10年(1656), 外国債券・FTSE世界国債(2511)など) |
円貨建債権 | 個人向け国債(10年); 不動産/融資型クラウドファンディング(例: クラウドバンク |
外貨建債権 | 個別の米国債や社債(米ドル建); 日本市場ETF(iシェアーズ・コア 米国債7-10年(1656), 外国債券・FTSE世界国債(2511)など) |
日本株 | 今はほとんど全て個別株式 |
米国株 | 投資信託(SBI・V全米株式インデックス・ファンド, eMAXIS Slim 全世界株式(除日本)の米国分); 米国市場ETF(VTI, SPY); 米国個別株など |
先進国株(日本・米国除く) | 米国市場ETF(欧州株VGK, EZU); 投資信託(eMAXIS Slim 全世界株式(除日本)の先進国分(米国除く))など |
新興国株 | 中国市場ETF(中国株(2801), インド株(2836), ベトナム株(3087) ); 米国市場ETF(VWO, インドネシア株(EIDO), フィリピン株(EPHE), ブラジル株(EWZ), 南アフリカ株(EZA), トルコ株(TUR), ロシア株!(RSX)); 投資信託(eMAXIS Slim 全世界株式(除日本)の新興国分)など |
日本リート | 今はほとんど個別銘柄 |
先進国リート | 投資信託(eMAXIS Slim 先進国リートインデックス)など |
原油・農産物等 | 投資信託(eMAXISプラス コモディティインデックス); 日本市場ETF(原油(1671), 農産物(1687, 1688) )など |
貴金属 | 日本市場ETF(金(1540), プラチナ(1541), 銀(1542) ); 投資信託(SMTゴールドインデックス・オープン)など |
その他 | 米国市場ETF(ヘッジファンド戦略(MCRO, WTMF); 暗号資産(ビットコイン, イーサリアム)など |
投資先の重なる異なる金融商品を保有しているのは、多くの場合、単に私の投資活動の歴史的経緯が理由です。




分散投資の実践過程で投資リテラシーが自然に向上する
はじめは現金と株式だけでよいと思います。資産規模が大きくなってきたら、徐々に他の資産も加えて分散を図ります。
その過程で色々調べることになります。資産毎にどんな金融商品がどこで購入できるか。コストは、リターンは、他の資産との相関はどうか。
また購入後は定期的に値動きを見ることになります。各資産がどういうときどう動くのか。別の金融商品を購入した方がよかったと思うこともあるでしょう。
結果、投資リテラシーが向上します。将来、例えばWeb3.0が進化して、新しい資産が登場して株式というものが今の地位を失うことがあっても、多様な金融商品の経験に基づくあなたの投資リテラシーがきっとあなたの老後資金を守るでしょう。
アセットアロケーション実践を通じた投資リテラシーの向上、これも人生の後半に備える活動といえるかもしれません。
アセットアロケーションは簡単に設定できます
理論的なところはかなり難解ですが、実務上は「アセットアロケーション」で検索すればたくさんの情報・ツールがでてきます。ご自分のリスク許容度に応じた基本アセットアロケーションを選んで、そこから自分好みにカスタマイズすればよいかと思います。
基本的に投資対象となるアセットは(1)債権、(2)株式、(3)その他(オルタナティブ)の3種類です。国や種類によってさらに細分化されます。なるべく値動きが連動しない資産を組み合わせます。
将来リターンは誰にも保証できませんし、米国株式は全体の60%がよいのか90%がよいのかといった正解はだれも知らないようです。大体のところでエイヤっと自分で設定してしまいましょう。
なお、私はアセットアロケーション目標を設定するときに「アセットアロケーションの最適化」(ロバート・カーバー著)を参考にしました。
そして定期的に実際の分配と比較して、目標より割合が小さくなった資産を積立で買い増していくことにより、目標に近づけていくようにしています。
この「アセットアロケーションの最適化」(ロバート・カーバー著)という書籍では、トップダウンで上流から投資比率を決めていき、理想的な分散を簡単に実現する方法を紹介しています。
とはいえ700ページもあり、決して読みやすい本ではありません。サラリーマンの資産運用目的では、第2部の「スマートポートフォリオの構築」を重点的に読むのがよいと思います。具体的にどのようにポートフォリオを構築していくかが書かれています。